OHYA CHEMICALS CO.,LTD 00.02.01
はじめてのかたへ
塗料と塗装の基礎知識
塗 料
色の付いた水なら何でも塗料になれるわけではありません。必要な性質があります。
新しい素材で物の表面を被覆したい場合の参考にしてください。
・塗る前には、液体や粉など塗りやすい不定形になっていること(流動性)。液体なら粘度(ねばりけ)、粉なら粒度(細かさ)を変えることができればさらに良い。
・塗ろうとするものを変形したり溶かしてしまっては困ります。また塗ろうとするものと化学反応するのも困ります(被塗材適性)。
・塗ろうとするものにくっつかなければ意味がありません(付着性)。塗料では付着させたい成分と付着のための成分が混合されていることが多いのです。そのままではくっつかなくても、くっつける方法があれば良い。
・塗ってしまってから固まる(乾く)か、固める方法があること(硬化性)。
・固まったあともくっついていること(密着性)。
・固まったあと見かけや性質を保つこと(塗膜性能の維持)。
塗 装
単に塗料を塗るだけではだめなのです。塗装はこんなにさまざまな仕事から成り立っています。
<塗りたいものの表面を整える>
・塗ろうとするものの表面を洗浄する。(脱脂、除錆など)
・塗料がつきやすくするため薬品をかけて処理したり、表面をざらざらに研磨したり加工したりする。
・表面に穴や目、きずがあれば埋める。(目止め)
・塗る前や後に表面を研いだり磨いたりして凸凹を滑らかにする。
・金属なら塗る前の腐食を止めるのに薬品処理や溶射処理をすることもある。
等々
<塗料を塗る。>
・スプレーで塗る。塗料に静電気を帯びさせてスプレーする。はけで塗る。塗料の中に漬ける。帯電した塗料の中に漬ける。ローラーで塗る。・・・ほかにも多くの方法があり、さまざまな設備がいります。
・数種類の塗料を塗り重ねる。通常は最初の塗料は密着が良く、腐食の防止や、被塗材と2回目以降に塗る塗料の間を取り持つ役目。最後の塗料は見かけが良く、太陽光で劣化しにくいものなど。塗装の目的によって多くの組み合わせが考えられます。また塗料同士の相性もあるので単純にはきめられません。
・たくさんの色を塗り分ける。
・塗るところと塗らないところを作る。
・塗料を使って図柄を印刷する。
・均一に美しく塗る。特に液体塗料では温度や湿度などが大きく影響するので粘度と塗る速度の調整に長い経験がいります。
・模様を出しながら塗る。
・目的によって塗る厚さを変える。防食を重視するか、外観を重視するか、機械的強度を重視するかなどにより多くの考え方が可能です。
等々
<塗料を固める。>
「乾かす。」「乾燥させる。」「硬化させる。」などと言います。塗料によって方法が違います。
・加熱して固める(焼付)。場合によっては温度そのものを選ぶほかに、温度の上げ方も、何度もテストします。
・低い温度で加熱して(強制乾燥)、手で持てる様に半分乾かしてから自然放置して固める。
・自然放置で固める。この場合にも品物の保持方法、ごみの付着防止や湿度制御などは多くの技術を要します。
・ゆっくりした化学反応で固める。塗料を2つに分けておき、塗る直前に混ぜて反応を始まらせ、塗った後に化学反応により自然放置で固める技術。加熱して反応を早めることも可能です。実は上の焼付の場合も加熱によって始まる化学反応を利用しています。
・さまざまな波長の光、紫外線、赤外線など 電磁波でエネルギー照射して固める場合があります。特に赤外線類は多くの塗料で使われています。(当社では行っていません。)
・湿気で固める(漆の場合)。気体を混入して固めるなど極めて特殊な技術もあります。(当社では行っていません。)
等々
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