OHYA CHEMICALS CO.,LTD  03.01.03  Top Page  Total Guide

粉体塗装

有機溶剤をほとんど含まない粉状の塗料を、静電気や熱を利用して被塗材に付着させてから硬化させる技術です。塗付時に飛散する塗料の取り扱いが簡単(場合により再利用可能)で乾燥時にも排出物質が少ないので低公害です。

当社は各工場に静電粉体塗装設備と大型加熱設備を備えており、この塗装法に関してもすでに20年を越える経験を積んでおりますので、幅広い対応が可能です。ただし一般に独自色の場合、塗料の供給単位が大きくなるので事前にご相談ください。

液体塗料で塗装した場合と比較すると

・表面が硬い塗装膜が得やすいので傷がつきにくい。

・塗装膜を厚くするのが容易なので、これを利用して防錆力(さびを防ぐ性質)を強くできる。

・溶剤に対する強度にやや難がある。

・静電塗装の場合(この方法で塗ることがほとんどです。)、形状が複雑な製品について、凸部分に塗料が極端に付き過ぎたり、凹部分に対する付きが悪過ぎたりすることがある。(ファラデーケージ効果)

などが一般によく言われます。

難点としては硬化段階などで必ずやや高い温度の加熱が必要なので被塗材が金属など耐熱性の良いものに限られ、パテ仕上げとの併用が難しく、キズを付けた場合や色変えの際の重ね塗りも困難です。(このようなときには液体塗料で重ね塗りを行います。このページの一番下の「液体塗料によるカバリング」をご覧下さい。)また塗料の製造工程では、少量生産の場合にコストがかかりすぎ、粉砕前に色が決定するので色の調整過程が液体塗料と異なります。このような理由から、求められる色の数が多く、色の精度が高く、パテ仕上げの要求の多いわが国では、米欧に比べ需要の割合が少ないと言われています。

 

粉体塗装にはまず塗布の方法で下の種類などがあります。

 

静電粉体塗装

粉体塗料を帯電させ、その静電気の力で塗装したい製品の表面に付着させる塗装方法で、現在、粉体塗装はこの方法によって行われることが最も多くなっております。粉体塗料を帯電させるには高圧電極や塗料との摩擦装置の付いた特殊なエアスプレー装置を使うのが一般的です。付着した塗料は加熱して焼付硬化させます。

当社は全ての工場に設備があり大型品に対応できます。また八王子工場、茨城工場にはライン設備がありますので量産品に対応できます。

 

流動浸漬粉体塗装

粉体塗料をタンクに入れタンクの下面から十分に分散した低圧の空気を吹き込むと塗料が舞い上がった状態になります。(これを流動槽(りゅうどうそう)といい、空気圧の調整により塗料は大きく飛散することはありません。)塗りたい製品を加熱炉内で十分に予熱しておいてこのタンクの中に入れることにより、製品の表面に塗料が付着します。静電粉体塗装に比べて大幅に厚く塗装できますので、絶縁や重防食などに適しています。

当社は現在、中型長物用の設備を持っており、主に電気絶縁目的のエポキシ樹脂粉体塗装を行っております。この設備により製品寸法が限られます。流動槽の新設は比較的容易ですが予熱乾燥炉は特殊構造のため、大型品への即時対応はできません。

流動槽内に電界を作る方法もあり、流動浸漬の利点に加え静電方式の利点も得られます。(当社では行っておりません。)

関連仕様表 −> 電気絶縁用エポキシ粉体仕様

 

また粉体塗装には塗装膜の主成分となる樹脂の種類で次の種類などがあります。

 

ポリエステル樹脂静電粉体塗装

ポリエステル樹脂の粉体塗料を使用した塗装は、屋外紫外線に対する長期の艶の保持に優れています。

当社の粉体塗装では最も多くの実績があります。

関連仕様表 −> ポリエステル粉体仕様 液体下塗りポリエステル粉体仕様

         電着下塗りポリエステル粉体仕様

 

エポキシポリエステル樹脂静電粉体塗装

この塗装は艶の保持の問題で屋外品には使用できませんが、艶を調整できる幅が大きいのが特徴です。密着性能もポリエステルより優れています。

当社は、この塗装も実績が多く、大型品も含め対応は容易です。

関連仕様表 −> エポポリ粉体仕様 液体下塗りエポポリ粉体仕様

         電着下塗りエポポリ粉体仕様

 

エポキシ樹脂粉体塗装

エポキシポリエステル粉体塗装と同じく屋外品には使えませんが、密着に優れ、薬品、湿度などの悪条件に強く、電気絶縁に使用できるものもあります。また、この塗装の上に液体塗料で上塗を行えば、屋外でも使用でき、重防食対応も可能です。

当社は、この塗装も実績が多く、大型品も含め対応は容易です。(ただし電気絶縁目的の流動浸漬粉体塗装は寸法制約があります。)

関連仕様表 −> エポキシ粉体仕様

 

その他、樹脂の種類として、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの塗装もあり容易に対応できます。

 

以下の特殊仕様もご覧ください。

 

低温焼付粉体塗装

硬化させるときに必要な加熱温度が150度程度とやや低く、性能面と塗料の価格で通常型に若干劣りますが、多くの場合パテ仕上げが可能となります。ただし屋外向けの艶調整品(半艶、艶消)などできないものもあります。

エポキシポリエステル樹脂粉体塗装のパテ仕上品などで多くの実績があります。

当社は、液体塗料の塗装においては、ほとんどの場合パテ仕上に対応してまいりましたが、粉体塗装の場合はまだ制約があります。

 

液体塗料の塗装によるカバリング

粉体塗装の完了した表面を補修したり塗装色を変更したりするためにさらに粉体塗装を行うことは、可能ですが、表面清掃に非常に多くの手間がかかり、とくにパテによる修正が入る場合は困難がふえます。そのようなときには、液体塗料による塗装を重ねることをお奨めします。当社でおこなっているメラミン樹脂焼付塗装やウレタン塗装をはじめ多くの液体塗料の塗装が重なります。塗装外観もかなりの程度まで近づけることが可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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